インタビュー
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「ジャガーはフォーミュラEの技術を量産車へ」マネージング・ディレクターが語る電動化への姿勢


TEXT:小川フミオ PHOTO:Jaguar Cars
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フォーミュラEへ参戦するジャガーの本気度を目の当たりにした小川フミオは、サーキットで同社マネージング・ディレクターに、その真意を問いかける。

技術的蓄積を、次世代量産車に投入

英国のジャガーはいま、ピュアEVのブランドへと舵を切りつつある。ピュアEVのレース「フォーミュラE」に本腰を入れて取り組み、そこで得た経験を「I-PACE」の改良に注ぎ込む。

それだけでない、と言うのは、ジャガー担当マネージングディレクターのロードン・グローバー氏だ。

ジャガーは2016年から参戦しているフォーミュラEで得た技術的蓄積を、次の世代の量産車開発に反映しているそうだ。

2023年7月29日にロンドンで、フォーミュラE選手権が開催されたのを機に、グローバー氏に、BEVへと向かうジャガーの姿勢をインタビューするチャンスを得た。

「レース活動は、私たちのDNA」

次は、レースが行われたイーストロンドンの「ExCeLロンドン」を舞台に、グローバー氏との一問一答。

−−ジャガーTCSレーシングは、今回ロンドンで最終戦を迎える2022−23年のフォーミュラEで好成績を記録しています。

「フォーミュラEは、私たちのブランドにとって、とても大切だと思ってやってきました。なぜなら、レース活動は、私たちのDNAの一部だからです。私たちは、ずっとモータースポーツ活動を続けてきました。最初は1949年に時速120マイルと世界最速を謳ったスポーツカーを発表し、その年シルバーストン(サーキット)でレースに投入、翌50年はXK120Sとしてルマン24時間レースに出走し、プライベートのエントラントが総合12位で完走しています。そのあとも、ルマンで2回優勝したCタイプ(51年)、4回優勝したDタイプ(54年)、ずっと後になりますが、88年のデイトナ24時間レースとルマンで優勝したXJR-9、そして2000年から2004年にかけてはF1にも参戦していました。でも、今回は、地球環境保全(サステナビリティ)を念頭に置いたレース活動として、フォーミュラEに参戦しています」

−−でも、2016−17年のシーズン3でフォーミュラEに参戦してから、平坦な道ではなかったはずです。2020−21年シーズンでようやく3位に浮上するまで、6位とか7位とかで低迷していました。シーズン9はとりわけ調子いいですね。

「そうなんです。ずいぶん多くのシーズンを過ごしてきて感じるのは、シーズンごとに、フォーミュラEはどんどん力をつけてきているなということです。それに、大きくなっています。たとえば、宣伝力がついてきているし、観客動員数もどんどん多くなっています。今回のロンドンでは、ピット前の観客席は満員に見えますよね。シリーズごとに人気が出ている証明でしょう」

−−ジャガーが強くなったのは、いいパートナーと組めているからでしょうか。

「それもあります。私たちと一緒に組みたいと言ってくれるパートナー企業が増えています。そうすると、どんどん高い技術力が手に入ります。それに、あなたがたのようなジャーナリストが取材に来てくれる。こうして、フォーミュラEでの活動は、さまざまな面で、いい成果を私たちにもたらしてくれるのです」

<Vol.2へ続く>

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